北海道大雪山系で中高年登山者たちが遭難した。しかし亡くなった人、ヘリコプターで助けられた人、自力で下山した人たちがいる。何がこの違いを生んだのかを是非検証して、きちんとした訓練を受ける機会なく登山の世界に入った中高年登山者にしらせて欲しい。ただ単に個人の体力とは違う原因があるはずだ。
また、「こんな天候のときに行動するなんて」などと経験がない人間がテレビの前で言わないで欲しい。40数年間登山を続けてきた私にはテレビ報道を見ているだけでこうなったいきさつ、そして現場の状況が手にとるようにわかる。その原因も想像がつく。
行くか戻るかを判断するのは門外漢の人が考えるほど簡単なことではない。少しでも可能性があれば行きたがるのが人間の本能みたいなもの。引き返すことを決断するのはちょっとした経験者には実はむずかしい。かなりの経験が必要だ。
今回数人のガイドがついていたようだが、この人たちの経験がどの程度であったのか、ガイドどうしでどう話し合い判断したのかを知りたい。責任を問うのでなく今後の同じような状況下で人は何を考え、どう判断するのかを知ることが重要だから。責任を問おうとすると本当の話は聴けない。
(次に続く)