1日は富士山の山開きだった。山開きといっても単なる行事であり、それ以前の登山が禁止されているわけではなく、この日を持って解禁となるわけでもない。もちろん自然環境が一気にゆるむわけではない。危険は常に存在し続ける。
なのにテレビ画面には半袖シャツ半ズボン姿の登山者の姿もある。これで上まで行けるかなと思うのだが、その中にはザックの大きさ、背負い方や歩き方を見てそこそこ実力があると思われる人もいる。こういう人は防寒装備をザックにしのばせているであろうから外見だけでは一概には批判はできない。
そんな折、手ぶらでスニーカー姿で登って行き9合目から引き返して携帯電話で助けを求めてきた人のニュースがあった。登山経験は高尾山しかないとのこと。東京から見てもわかるとおり上にはまだ雪がある。登山道は除雪されているとはいえ吹く風は相当冷たいはずだ。それに8合目以上で高山病の症状が出る人も多い。登りたいという気持ちだけで登れる山ではない。
富士山は5合目から見ると頂上が近くに見え、経験のない人にはすぐに登ってこられるだろうと勘違いされやすい。しかし健脚な若者でも頂上まで4時間はかかる。
最近は外国人の登山者も多く見かけるが、その人たちの格好もお粗末なものが多い。やはり簡単に登れる山と勘違いしているようだ。正しい情報を与えるべきだろう。
富士山は独立峰なので気象変化も激しい。簡単に登れる山ではないのだ。