今朝のテレビで手ぶらで富士登山をした男性のニュースとともに夏山登山の服装を紹介していたが、見ると適切とはいえない無責任な内容だった。
紹介されていた服装は、下に我々が新素材と言っている速乾性のポリエステル、その上にナイロンのキルティング、そしてさらに雨具兼用と思われる防風着を着用した姿であった。
夏山といっても2600mから3000mを越える山々が連なる中部山岳、そして2000mを越えていなくても上越県境の山々とでは今の時期と、今月下旬から8月初旬にかけての時期、そしてお盆休みになる中旬以降とでは着るものも違ってくる。
7月初旬の今は、まだ梅雨が明け切らないので天気の変化が激しい。ひとたび雨になれば大粒の水滴が激しく体を打つ。汗は発散させるが雨は通さないゴアテックスの雨具でも中はしっとりと濡れる。速乾性の下着を着ていると気化熱で体温が奪われて体が冷え、時には凍死する。
このような時期に着用する下着は濡れても保温性を保つものがよい。自然素材ではウールである。新素材でもウールと似た性質を持つ物が専門店で売っている。
7月下旬から8月上旬がいわゆる夏山シーズンである。速乾性のTシャツに半ズボンで歩くのが気持ちがよい。ただ日射しが強いので日焼けに注意。半ズボンは膝までないと、日に焼けた腿がズボンと擦れて痛い思いをする。
また、午後には雷雨がくるので2時までには行動を終わらせること。そのためには朝6時前に出発することだ。
8月も中旬になると山はもう秋だ。再び7月初旬のような注意が必要だ。下着もそのときの天候によって速乾性のものと保温性のものを使い分ける必要がある。
私は非常用として常に薄手のウールのセーターを濡れないようにポリ袋に入れて持ち歩いている。いざというときには肌に直に着るためである。