多摩川をさかのぼり、奥多摩にはいるとやがて小河内ダムでできた奥多摩湖にたどりつく。
その奥多摩湖が終わるところで川は丹波川(たばがわ)と小菅川(こすげがわ)に分かれる。
その二つの川に挟まれたところに標高1288mの地味な山がある。それが鹿倉山である。
かつては訪れる登山者も少なく静かな山旅ができたが、有名なシンガーソングライターが紹介したとかで最近は登山者も少し増えたらしい。
何十年も前だが、その鹿倉山に初めて登ったとき中腹に大きな白い仏舎利塔が建設中だった。建物には梯子がひとつかかっていた。
だれが何のために?と疑問を抱きながらその脇を通り過ぎようとしたら、茶と黒の二匹の犬が猛烈な勢いで走ってきて茶犬は私より高いところに登り上から、黒犬は足元から見上げるようにして激しく吠え立てた。ちょっと恐怖を覚えたが無視して登り続けて行ったことを覚えている。
人の姿は見えなかったのでその日は休日で工事は休みだったのだろう。
実は一昨日の三頭山の下りでその仏舎利塔が見えた。
だれが何のために?この疑問は今も解けていない。