太く画いた眉をキャラクターにしているタレントのイモトさんがアルプスの最高峰、モンブランに登頂する番組をテレビで見た。
小屋に泊まったあといよいよ上部の急な雪面を登って行く。
彼女は安全のためにザイル(ロープ)で前後をジッヘル(確保)されている。
当然靴にはアイゼン(金属製の12本の爪がついた道具)をつけているのだが、見ていると彼女の
足の運び方が危険だ。
一般の人は日頃は無意識に踵を反対の足の内側を擦るように足をハの字に開いて歩いている。
しかしアイゼンを着けたときにはこの歩き方は危険である。
アイゼンの踵の爪を反対の足の内側に引っ掛けて転倒し、滑落してしまうのだ。
初心者がよく起す事故である。
当然イモトさんへも引率者から何回か助言があった。
「足を開いて歩くように」
しかしこの助言は効果がない。すぐにもとの歩き方に戻ってしまう。
その訳は助言の内容が具体性に欠けるのだ。
私だったら次のように助言をする。
「踵を開いて内股で歩くように」
この助言で足がハの字に開かず、まっすぐ平行に運んで歩くようになるのでアイゼンの踵の爪を
反対の足の内側にひっかける危険はなくなる。
助言や指示は実際に効果があるように具体的にしないと意味がない。
ところでイモトさんはがんばりやさんだ。
本人も苦しそうだったが、同行の男性ディレクターが音をあげているのを逆に励ましながら登頂を
果たした。
おめでとう!