小淵沢から見える南アルプスの北端の山々である。
右端の甲斐駒ケ岳(2967m)のすぐ左に見えるのがアサヨ峰(2799m)、
そして写真の左端が鳳凰三山の観音岳(2840m)、手前の木の枝の向こうに
あるのがアカヌケ沢の頭(2750m)、その右が高嶺(たかね=2779m)である。
このアサヨ峰と高嶺を結ぶ尾根を早川尾根と呼ぶ。尾根の真ん中あたりに
顔をのぞかせている三角形の山は富士山に次ぐ我が国第二の高峰北岳
(3193m)である。
わざわざ早川尾根の話をするのには理由がある。
それは甲斐駒ケ岳、仙丈岳(3033m)、北岳、そして八ヶ岳などの雄大な
眺望を楽しみながら、今でも静かな山旅を味わえるコースだからだ。
しかも北岳などは天空を刺すような鋭い姿で見ることができる。
この早川尾根の一番低くなった所が広河原峠で、夜叉神峠を越える林道が
まだなかった50年前までは、北岳に登るにはこちら側の武川村(現北杜市)
からこの峠を越えて北岳の登山基地、広河原に入らなければならなかった。
私は一度この尾根を歩いたことがあるが、登山者での賑わいを避けて静かな
山旅をしたい人にはお勧めのコースである。