10月15日、朝9時ごろから雨。
先日の軽井沢の建築見学会では、5日にメンバーのKさんの紹介でC工学校の
施設内にある、数寄屋建築の一人者、中村昌生氏設計のお茶室などを訪れた。
ここには立式の茶室がある。
生徒に茶の心を体験してもらいたいという学校の配慮である。
和紙を張った天井が美しい。
和紙が1枚の部分と2枚重なった部分の明暗が効果的だ。
ここから、利休の幻の茶室と言われる大庵を中村氏が研究して復元したという、
深三畳台目の茶室に向かった。
しかし残念ながら狭い茶室を撮るには私のカメラでは広角さがたりないことと、
我々11人と案内の方でいっぱいになる茶室は、見学しているときは、その人
たちを意識からはずすことができるが、カメラは全て写すので絵にならない。
これはたくさんの人たちが話す中で、健康な耳は聞きたい人の声のみを拾うが、
補聴器を装着した耳は全ての声を拾ってしまうので、聞きたい人の声もその
中に埋没してしまってわからないのと似ているな~ぁと思う。
ところで今回の旅行の第一の見学目的の千住博美術館は?という疑問が
残ると思うが、外観は木に囲まれて見えず、内部は撮影禁止で、傾斜する
床の所どころにある円柱状のガラスに囲まれた大小の中庭、そこに植えら
れた木々は雨にしずくを宿して森のような深みを感じさせる様子を紹介でき
ないのは残念である。
画家の絵はやはり点在する板のような壁に展示されていた。