7月5日、曇り。今朝の気温は15℃。
居間にかかっている柱時計、昨日から調子がおかしくなった。
カッチン、カッチンという振り子の音が途中からカッチ、カッチン、カッチ、
カッチンと左右に振れる音が均等ではなくなり、ついには止まってしまう。
時計が傾いているのかと思い、何回か直してみたが同じである。
この時計は山梨県南巨摩郡身延町の父の実家にあった。子供の頃、
祖母と伯母が住んでいた家に夏休みや冬休みに、住んでいた都下の
昭島市からよく遊びに行った。そのときには私がこの時計のゼンマイを
巻く担当になって、一週間に1回踏み台に乗り手を伸ばして一生懸命
巻いた記憶がある。そして祖母も伯母も亡くなり、無人になった家を取り
壊すときに私がこの時計を引き取った。以来二十数年以上私と一緒に
いる。
時計の後ろを見ると「明治貮拾年、丁亥、第三月大安日、求」と墨で
書いてある。つまり1887年から働いていた時計である。
家がしばらく無人だったときには止まっていたが、長い年月働いてきた。
その間、メンテナンスに出したなどということは聞いていない。
中を見ると英語でなにやら書いてあるが、最後にU.S.Aとあるから
アメリカ製なのだろう。
それにしても長い間働き続けてきた。もう休ませてあげようかと思う。
そう思う理由が実はある。コナラ林にある我が家は実に静かなのだ。
そんな中でこの時計のカッチン、カッチンという音が時には耳障りに
感じることもあるのだ。時計をはずすいい機会なのかもしれない。