10月29日、晴れ。今朝の気温は10℃。
京都と瀬戸内海の直島、豊島、犬島の旅の報告が岡山でストップしたまま
で申し訳ない。
10月8日、我々7人は岡山のホテルを出発。電車で宇野まで行き、港から
フェリーで直島に渡った。
直島には6年前に妻と来たことがある。金毘羅歌舞伎を観た帰りに周った
のだが、直島の宮浦港ではそのときと同じ妹島和世氏と西沢立衛氏
共同の事務所SANAAが設計した建物と草間彌生さんの赤いカボチャが
迎えてくれた。
SANAAは金沢の21世紀美術館も設計した事務所である。妹島氏は
建築学会賞、芸術選奨などを受賞している実力者であり、西沢氏も
建築学会賞を受賞しており、妹島氏とともに建築のノーベル賞と
いわれるブリッカー賞を受賞した実力者で、翌日見に行く豊島にある
美術館の設計者である。そのほかに軽井沢の千住博美術館も有名である。
さて直島ではいろいろな作品やプロジェクトを観てまわったがのだが
もう記憶が薄れてしまった。そこで安藤忠雄氏設計の地中美術館の
ことでちょっと二言。
一つは多くの来館者が見落としているのだが、門から建物へのアプロ
ーチに沿うように続く小さな池の庭は、実はクロード・モネの
フランスジヴェルニーにある自邸の睡蓮の庭を模したものであるが
実によく雰囲気が出ている。これを作庭したのはどなたであろうか。
もう一つはジェームス・タレルの青い部屋だが、6年前に来た時とは
感じが違っていた。以前は部屋に入り、青い霧のような光の中を歩いて
行くと前方に青い壁が浮かび上がってくる。その壁の下の方が青い霧の
中に溶け込んで神秘的な感じだったが、今回はただの青く四角い壁が
見えてくるだけである。それは壁の下端もはっきりと見えるからで
おそらく以前は壁の前に溝があり、壁の下端が見えないようになって
いたのであろう。だから見る人が壁にあまり近づかないように係員が
注意していたと記憶している。おそらく事故を恐れて溝をなくして
しまったのではないか。神秘感が全くなくなってしまったのは残念
である。