1日夜、私と中学が同級だったビオラ奏者のK・A子さんのリサイタルが、地元のボランティアの人たちの尽力で諏訪湖畔にある諏訪湖・赤彦博物館の玄関ホールを使用して行われた。
Kさんは私が設計した別荘の施主でもある。
車で着いた時は湖対岸の山並みにすでに日は沈み、宵の明星を従えた上弦の月がその山並みの上にかかっていた。
伊東豊雄氏設計の軽やかに長く延びた建物は、15年の歳月を経ても古さを感じさせない。
駐車場からホール入口までの道の両側には行燈風の照明が並べて置かれている。
ホールはすでに準備が整い、あとは開演を待つばかりになっていた。
6時30分開演。満席だ。私が知っている人の顔もちらほら。
まず今回の演奏会開催に尽力してくれたAさんからKさんについて紹介。
彼女が登場し、いつもながらのわかりやすくて楽しい、曲と作曲者についての解説。
そして演奏。
ホールの音響は意外によい。天井が曲面になっていて木が張られているせいか。
演奏会は1部がヘンデル、マレ、バッハの曲、コーヒータイムをはさんで2部はこの博物館に展示されているアララギ派の歌人、島木赤彦の詩の朗読とその詩につけられた曲や草原情歌などの良く知られた曲の演奏とつながっていき、最後は大きな拍手と共に3曲のアンコール曲で終了した。
とっぷりと暮れた湖畔での豊かで楽しいひと時であった。