フィリップ・ジョンソンが1950年に、ロックフェラー氏のためにニューヨークに設計したタウンハウスである。
平面図の上部に通りに面した入口がある。家具で隔てられた室内にダイニングとリビングが続く。
そして中庭をはさんでバスルームがついたベッドルームがある。ベッドルームへは飛び石を踏んで行く。ただ、写真をよく見るとこの庭にはガラスの天井があるようだ。
ここまでくれば、建築の設計をしている人はニヤリとするだろう。
この中庭を完全に外部とし、植物も何もおかず、風と日射しと雨の存在を意識させたのが安藤忠雄氏が1975年に設計し、出世作となった「住吉の長屋」である。
先月、TOTOの「ギャラリー間」でこの実物大の模型を造って展示していたので行ってきた。なかなかいい空間だった。
ただ、一緒に行った妻には、「こんな寒そうで暗い家には住みたくない」とはなはだ不評であったが。