マンションのシニアクラブの人たちに十文字峠のシャクナゲを見てもらう山行を来月に予定している。そこで5月10日、小淵沢の山荘へ向う途中で下見に寄ってみた。
十文字峠は、奥多摩の雲取山から八ヶ岳手前の金峰山(きんぷさん)まで40Kmの長さで連なる奥秩父山系の中ほどよりやや西の千曲川源流付近にある。
中央道を須玉ICで降り、増富ラジウム温泉への県道にはいる。道は以前より良くなっていて快適に信州峠を越えて長野県の川上村に入り、秩父方面への道をたどる。背後に八ヶ岳が見えている。
途中の川の上に鯉のぼりが残されていた。
下の川は千曲川である。
Y字路で秩父への道と分かれて右に行く。そこで集落は切れ畑の中の開けた1本道をひた走る。のどかな風景が続いている。
舗装道が砂利道に変わって8時に毛木(もうき)平の駐車場に着いた。
日射しが初夏のように強い。
雪の重みが原因なのか、白樺の幹が曲がっている。中には折れているものもあった。
雪が積もったあと、雨が降って、その後の冷え込みで水を吸った雪が凍ると、その重みに白樺は耐えられない。
三つの橋で流れを渡って登って行くと五里観音に着く。
標識に一里観音とあるが、十文字峠の反対側の埼玉県大滝村栃本に一里観音があり、順に二里、三里とあって、今は避難小屋となっている旧十文字小屋あたりが四里(より)観音である。だから峠を越えたこちら側のこの観音は五里観音と呼ばれている。
急な登りをたどっていくとコメツガの匂いがプンとしてきた。奥秩父だ。なつかしさがよみがえってきた。45年前、山を歩き始めた頃、この奥秩父をテントを背負ってよく歩いた。私が育ったふるさとと言ってもよい山々だ。
シニアのメンバーたちと一緒に歩いているつもりでゆっくり登り、10時45分に小屋が建つ峠に着く。まだ蕾もない石楠花の木々があちこちにある。
しかし気になったのは緑色のネットもあちこちにある。まさかシャクナゲが咲いたときにこのネットを張り巡らせて保護するのではないだろうな。美しいシャクナゲの群落が台無しになってしまう。
ところでどういうわけか、あまりにもくつろいだせいか、ここで写真をとるのを忘れてしまった。
11時に峠をあとにして、やはりシニアのメンバーたちと一緒のつもりでゆっくりと下っていき12時半に駐車場に着いた。
小海線の信濃川上駅に寄って大きな文字で書かれているタクシー会社の電話番号をメモして野辺山で141号に出る。
清里の手前で長坂IC方面の道に入り、中村農場で卵を買い、石堂の交差点を右折して八ヶ岳広域農道をひた走り2時過ぎに山荘に着いた。
ところが山荘では大変なことが起こっていた。そのことは次のブログで。