29日に小淵沢の山荘に向う途中で、7日に予定しているマンションのシニアクラブの山歩きの場所である大菩薩嶺と大菩薩峠を下見した。
大菩薩峠は中里介山の小説で有名だが、この峠がある青梅街道は江戸時代には甲州街道の裏街道として年寄りや女性のような足の弱い人達に利用された。その理由は、甲州街道が高尾山にある小仏峠と大月と甲府盆地の間にある笹子峠の二つを越えて行くのに対して、多摩川沿いに延びる青梅街道は大菩薩峠を越えるだけで甲府盆地に入ることができるためだ。
中央道を勝沼ICで降りて国道20号を笹子方面にもどり、甲斐大和駅の先で嵯峨塩鉱泉への道にはいる。甲斐大和駅の名は以前は初鹿野(はじかの)だった。初鹿野のほうが私は好きだが。
うねうねとした狭い林道を紅葉をながめながら30分ほどたどって1650mの上日川峠に着く。平日なのに車が多い。さすが人気の山だ。1台あいていたところに私の草色のプリウスを割り込ませた。
10時半出発。ここから車道と登山道が並行しているがアップダウンの多い登山道を避けて車道を行く。20分ほどで山小屋福ちゃん荘に到着する。ここまでは走行を許された車とタクシーだけが入るようだ。
ここで車道と別れて左手の唐松尾根登山道へ入り稜線上の雷岩を目指す。
唐松林の中の道をたどっていくと樹種は岳樺に変わり、やがて見晴らしがよくなり熊笹の間の岩がゴロゴロした急な登りとなった。
12時過ぎに雷岩に到着。数パーティーの登山者が休んでいてにぎやかなのでそのまま樹林の道を北にたどり10分ほど登って大菩薩嶺(2079m)の頂上に立った。
ここは樹林の中なので展望はない。見晴らしの良い雷岩にもどって休む。西に南アルプスの白根三山が見えている。右の一番高い山が富士山に次ぐ高峰北岳(3192m)だ。
左に間ノ岳(あいのだけ)、農鳥岳と続くが皆3000m峰である。
ところで富士山は?捜すと帽子のような雲の下にそれらしき姿が見えた。
20分休んでから明るい尾根道を下って行く。
20分ほど下ったところにある避難小屋がある賽の河原が昔の大菩薩峠である。
ピークを一つ越えて13時10分に現在の大菩薩峠に着いた。
ここから林道をたどって14時過ぎに上日川峠に着いたが、およそ1時間の林道歩きは下りなので足の弱いシニアの人達にはちょっとつらいかもしれない。コースを逆にしてみたらどうだろう。
31日、大田区に帰る途中で再び上日川峠に寄って今度は逆コースを歩いてみた。
大菩薩峠までの林道はゆるやかな登りになるのと、これから峠に向かうという高揚感もあって退屈ではない。また、峠から雷岩までも尾根の登りはゆるく見晴らしもよいのでドラマチックだ。
今日は富士山もすっきりと見える。
心配なのは唐松尾根の急な下りだが、長くはないのでサポートしながらゆっくりと慎重に下ろう。
シニアの人たちには今日のコースのほうが良いだろう。