夕方3時半に瑞龍寺に着いた。私は内心見学時間が足りないなと思っていた。
入り口では大きな鬼瓦が迎えてくれた。
受付を入って見学しようとしていたら住職さんが現れた。連絡がいったらしい。早速住職さんの案内で見学をしていく。
まず総門を入って振り返る。
この総門から見た山門である。
屋根からすべり落ちる雪で傷まないように下の屋根は上の屋根と同じ出で造ってある。これが何んともいえぬ雄大な感じを醸し出している。
中庭にある仏殿である。
他の建物の屋根は檜皮葺きだが、この建物だけが鉛瓦で葺かれている。焼き物の瓦では冬の寒さで破損してしまうからだ。
鉛瓦を使った建物はこのほかには今年2月に修復工事を見学した金沢城の河北門だけである。
下の写真はそのときの鉛瓦である。
そして昨年2月に訪れたときの山門と仏殿の姿である。
住職さんに案内されている回廊から仏殿を見る。
仏殿と後ろの法堂。
法堂は仏殿との距離が近く、また左右に大きいので全景は私の広角レンズでも捉え切れなかった。
座禅場などがある回廊も見てまわる。しかし私はこの寺の回廊に囲まれた中庭と山門、仏殿、法堂の大きさと形と配列が好きである。
今回はもう時間がなくなったので回廊の半分しか見ることができず、天井が曲面をした庫狸などは見られなかった。
最後に住職さんを囲んで山門で記念撮影をした。
名残り惜しそうに総門を見上げる仲間たち。
(だからもっと早く来ればいいのに)
すでに夕日も林の向こうに火のような赤さを残して沈み、あたりは闇に包まれ始めていく。
夕日の赤さと雲の形や色から火事のように見えるがそうではない。
途中でKさんの先輩の設計事務所に立ち寄る。材木商だったという建物の中に造られたアトリエは広く、上下の変化に富んだ空間がうらやましかった。
高岡駅でレンタカーを返却し、駅の喫茶室で時間をつぶした後、18時47分発の特急はくたかで高岡の地を後にした。
やっと11月29日、30日の旅の報告が終わった。