マンションのシニアクラブの山歩きで山梨県との県境近くにある長野県の入笠(にゅうがさ)山に出かけた。ここにはスズランの群生地があり、今が花の見ごろである。
行くのはNさん夫妻とシニアには間があるKさん、そして私の4人なので私の車で行くことにした。
朝5時15分にマンションを出発。調布ICから中央道に乗り、諏訪南ICでおりて国道20号を甲府方面にもどり、カーナビに従って冬にはスキー場となる富士パノラマリゾートの駐車場に8時15分に到着した。天気予報では午後から雨だが今は雲は多いが薄日の射すまあまあの天気だ。
早速ゴンドラに乗り込んで700m上の、入笠山中腹にある湿原近くまで行く。
左にはまだ雪をつけている甲斐駒ケ岳と鳳凰三山、後ろに八ヶ岳連峰が見えている。
山上駅から10分ほど歩いてスズランが見られるはずの入笠湿原に出た。白い花をつけたズミの木が美しい。
だがスズランを探したがみつからない。
赤い花が美しいクリンソウはあちこちにみられるのだが。
どうやら左手の斜面がスズランの群生地らしい。
その斜面を登ってもゴンドラ駅に戻れることがわかったので帰りにたどることにして天気がよいうちに入笠山の頂を目指す。
所々に鹿除けのネットや微電流が流れている鉄条網が設置され、木々や草花をその害から守っている。
ツマトリソウやマイヅルソウなどの白い小さな花々の名を、ゴンドラに乗るときに渡された「入笠山に咲く花」という小冊子で確かめながら登り、30分ほどで頂上に着いた。
360度の展望が広がる。東には、まだ雪が残る鳳凰三山(2840m)、甲斐駒ケ岳(2967m)、岩尾根が続く鋸岳(2685m)、やはり雪が残る間ノ岳(3189m)、仙丈岳(3033m)などの南アルプスの山々、北には右の権現岳から左端の蓼科山まで連なる八ヶ岳、さらに左に霧が峰や美ヶ原のゆるやかな山陵が霞んで見えている。
ただ残念ながら見えるはずの槍、穂高などの北アルプスの山々や、中央アルプス、木曽の御嶽山の姿は雲の中だった。
このあと南にある大河原湿原に向うことにした。下ってアスファルトの道を歩いていると後ろからバスが来た。湿原まで行くとのこと。無料である。もちろん喜んで乗り込んだ。
12時前に大河原湿原に到着。
立派な真新しい木道が延びている。その途中に設けられたベンチに座ってしばし湿原を眺めていると、広がる湿原の緑と、種類で色が微妙に違う新緑の木々の重なり、そして流れていく霧などの、静寂の中の美しさで時のたつのも忘れてしまう。
湿原を一周して12時40分のバスで登山口まで戻った。雨が降り始めていたので傘をさして入笠湿原にもどる。
やはりあの斜面がスズラン群生地だった。
緑の葉の波が広がる中に真珠の粒のような小さな白い花が点在している。
やや激しくなってきた雨の中をゴンドラ駅にもどり、下りた売店でサービスの花の苗をもらう。三つある中で私はギボシにした。
車にもどって私の山荘に立ち寄ることにしたがお腹がすいたので途中の蕎麦屋「おっこと亭」に立ち寄る。
山荘で大泉のAさんが切っておいてくれた薪の束を確認してから中央道に乗り、ちょうど7時にマンションに着いた。