寒冷地の冬はそれなりに楽しめるものである。しかしそれも暖かな拠点があってこそだ。
たとえ暖房を効かせた車で訪れても冷え切った建物内へ入りストーブを焚いたとしても暖かくなるのに1,2時間はかかることを考えると行くのも億劫になる。
その上凍結を防ぐために水抜きをしていた水道設備に通水する作業がある。それをしなければお湯を沸かすことも風呂に入ることもできない。スイッチひとつで水抜き通水できる装置もあるがそれでも各蛇口や設備機器の栓を開け閉めする手間はかかる。足が遠のくことになるのも当たり前である。
私の山荘ではそんな手間を省くために、サーマスラブという深夜電力を利用した地盤蓄熱システムで冬の間建物全体を暖めている。
断熱材を張った基礎に囲まれた地盤を電気パネルで暖める装置だ。電気料金が安い深夜のみ通電するのだが土自体に断熱性があるので熱は逃げにくく、メーカーの話では二日間停電しても暖かさは保たれるということである。だから着いて建物に入ると14,5度はあり、暖かいのがありがたい。さらに床下の給水管が凍結することはないので水抜き通水の手間がかからない。
それでもしばらくすると寒さを感じるので薪ストーブを焚いて20度くらいにして過ごしている。
また、深夜電力利用の電気温水器のスイッチは入れっぱなしである。だから着いてすぐにお湯が使えるし、浴槽にお湯をはることもできる。
温水器を洗面所内に設置したので凍結することもなくお湯もさめにくい。だから電気代はあまりかからない。
そのことで思いがけない利点もあった。温水器面からの熱で洗面所がさらに暖かいのだ。もし外に設置していたらいつもそれだけ熱が逃げていることになるのでなんとも無駄である。
これは瞬間湯沸器にも言えるので外気をとりこみ外部へ排気するFF式湯沸器を室内に設置することをお奨めする。
電気代が気になるところだが、冬は外気温-7℃ほどになるこの場所で基礎面積8坪、11月から4月までサーマスラブのスイッチを入れている状態で、実際の電気料金は1月から4月までが1万数百円から多いときで1万4千円であった。これには電気温水器の電気代も入っているので、ある時訪れることが多くてお湯の使用料が増えたことによる差なのかもしれない。
因みにサーマスラブを使っていないときの電気料金は3千円強から5千円弱である。このほとんどは基本料金と温水器の料金であるが、詳細は使用明細書で確かめればわかるのだがそこまではしていない。
山荘はオール電化にしているので、エネルギー源は電気と薪ストーブだけである。