三重県名張市に住むTさんから、無垢の芸術家たち(ーアトリエ・エレマン・プレザンの世界ー)という展覧会の案内をいただいた。
場所は韮崎大村美術館だというので昨日妻と早速訪れた。
韮崎市に入り釜無川を渡って南に行ったところにこの美術館はある。
ここの土地出身の、数々の微生物の研究発見で功績のある天然物有機化学者の大村智氏が収集した女流芸術家たちの絵画、彫刻を展示するために建てた美術館で、氏の「地元に美術館を」との思いもこめられている。現在は韮崎市に寄贈されて市の美術館になっているとのこと。
入り口に貼られたポスター。
「無垢の芸術家たち」展とはダウン症を患っている人たちによって描かれた絵の展覧会で、この美術館の1階の最初の展示室を借りて会場にしていた。
日本では展示品は全て撮影禁止である。フランスやイタリア、スペインなどではフラッシュさえ焚かなければ撮影OKというところが多いのだが、この違いはなぜなのだろう。
ということで入り口のポスターを撮った。左上の絵には「イルカ」という題がつけられている。
ポスターに載った絵からもわかるように自由な発想で描かれた絵からは刺激されることが多い。
以前訪れたねむの木学園の子供たちの絵から受けた衝撃とはまた違った刺激を与えられた。
その奥の展示室からはこの美術館の収蔵品である彫刻や小倉遊亀、片岡球子、上村松園、秋野不矩などの絵、そして岸田劉生の娘のあの麗子が描いた絵、その娘の夏子の作品も展示されていた。
美術館を出て道の反対側にある蕎麦屋でおいしいとろろ蕎麦を食べる。
ここからは北の眺めが良い。正面に左右に裾を曳いた茅ヶ岳が見える。
「日本百名山」を書いた深田久弥氏が登山中に病死した山でもある。
このあと静岡方面へ行く国道52号を1時間かけて南下、南アルプスの北岳の元から流れて来る早川(この川の上流での名は野呂川というのだからおもしろい)と富士川の合流点の少し南にある、富士川・切り絵の森美術館に向った。
ここでは驚異的な繊細さで世界的に有名になった切り絵作家、蒼山日菜(あおやまひな)を初めとする世界中の作家たちの展覧会が開催されている。
中でもやはり蒼山日菜さんのレースのような作品は圧巻だった。
しかし暑い。気温は33度。梨とブドウのソフトアイスクリームを食べて一路小淵沢の25度の世界に逃げ帰った。