テレビを選局していたらピアノ伴奏でヴァイオリンを演奏する若い女性の姿が映った。
この力強い演奏はただものではない。
曲はなんだろう。
選局をやめて聴いてみる。
実は耳が悪くなってから音を正確に捕らえることができなくなった。
良く知っている曲でも全く別のものに聞こえる。
だからあれほど好きだった音楽を今では自分から聞くことはなくなった。
ここに引っ越してくるときもレコードプレーヤーとたくさんのレコードを処分してきた。
ところで曲はなんだろう。
音の切り方、テンポ、曲の抑揚などで想像してみる。
ドボルザークのソナチネ?いやそうではない。
やがて演奏が終わり拍手とともに演奏者がおじぎをしている。
しかし最後まで曲はわからない。
画面に曲名が出る。「ヴァイオリンソナタ第9番クロイツェル ベートーヴェン」 そうだったか。
トルストイの小説にもなった曲である。
若かったころ小説を読んでこの曲のレコードを買った。演奏者は・・・忘れたが。
ということはそれほど聴いてはいなかったようだ。
ところでそうそうテレビでの演奏者は庄司沙矢香であった。
十年ほど前のパガニーニ国際ヴァイオリンコンクールで史上最年少の15歳で優勝した人である。