11月18日、晴れ、朝6時の気温1℃。
15日から昨日まで東京(やっと地方人になったのか、こういう表現に抵抗がなくなってきた)に
行っていたのでブログの更新が滞ってしまった。
15日夜は東京土建渋谷支部設計分会の定例の集まり、16日夜は設計分会主催の建築セミ
ナーがそれぞれ支部の会議室であった。
セミナーの内容は千葉に建てられた写実絵画展示専用のホキ美術館を設計した日建設計の
設計担当者である鈴木隆氏による30mのキャンティレバー(持ち出し)の展示室を持つ建物の
設計意図とその構造や展示絵画へ配慮した照明計画、その他の設備のことなどを、プロジェク
ター(昔だったらスライドというところ)を使用しての解説である。
6月にホキ美術館で行われた同様のセミナーに参加したことはこのブログにも書いたが、その
ときに講師の鈴木氏に設計分会での講演を非公式にお願いし、10月初めに分会長のSさんと
日建設計に鈴木氏を訪ねて正式に依頼、このたび日建設計の許可を得て実現したセミナーで
ある。
6月の現地でのセミナーは、参加者が一般ということもあってそれなりの内容だったが、今回は
参加者が建築の設計者やデザイナー、そして建築の職人ということもあって、鈴木氏持参の資
料やプロジェクターでの映像、そして話の内容もそれなりに専門的な内容になっていた。
下の鉄筋コンクリートとキャンティレバーの鋼板製のギャラリーとの隙間をできるだけ小さく見せ
たいが中庭の木々にはある程度の風が必要なのでコンピューターでシミュレーションした結果で
隙間を決めたこと、鋼板のギャラリーの寒暖による延び縮みからでる音の発生を防ぐ方法の検
討なども大きな組織を持つ設計事務所だからこそできる数々のシミュレーションや実験結果
など、我々小規模の設計事務所からみるとはなはだうらやましいことだらけである。
さしづめ大病院と町医者の違いと我々のメンバーが言っていたが、まさにそういう感じだ。
そのあと1時間に及ぶ質疑応答でセミナーを終了し、場所を居酒屋に移しての歓談でさらに楽
しい時を過ごした。