6月8日、曇り。今朝の気温は11℃。
昨日、八ヶ岳連峰の南端にあり、我が家からよく見える編笠山に登ってきた。
高く三つ並んだ山の一番左が編笠山(2524m)である。ちなみに真ん中が
権現岳(2715m)、右が三ツ頭(2580m)、最も左に低く見えるのは奥に
ある西岳(2398m)である。権現岳も奥にあるので高さのわりには低く見える。
編笠山には何回か登っているが、いずれも正面に見える尾根を観音平から
登っているので、昨日は初めて西岳手前に見える左の稜線を登った。
富士見高原のゴルフ場近くの駐車場にハスラーを置き、6時45分に歩き
始める。予想に反して空は雲に覆われ、あまりよい天気とはいえない。
ゲートに着くと、昨年11月に西岳に登るために来たときにははっきりと
していた「熊出没注意」の看板も色あせて、文字も薄くなっていた。
20分ちょっとで五叉路に着き編笠山への登山道をたどる。
林の中の道にはカッコーやウグイスの鳴き声が響き渡っている。
15分ほどで盃流しという、沢が滑らかな大岩に埋められた場所に着いた。
その名前の由来を書いた看板がかたわらに立っていた。
その上流を左から右へと渡ってゆるやかに登って行く。
ほどなく大きな岩小屋の前に立つ。
かたわらにこの小屋の名を書いた道標がある。
さてこれは「うすくぼ」なのか、あるいは「しらくぼ」のペンキがはげたのかは
わからない。
ところでこの日はピッチが上がらない。途中で単独行の男性に抜かれ、さらに
下から半袖に小さな荷物という女性がかなりの速さで登って来た。「編笠山
往復ですか?」と聞けば編笠山から西岳に周って下山するという。
一方私はゆっくりと歩を進める。このスピードは約20Kgの荷を背負ったときの
ペースだ。
11月以来の登山だ。日頃犬の散歩程度しかしてないのだからしかたがない。
展望のない登りが続く。やがて岩が出てきた。そしてシャクナゲが現れた。
花が咲くのはこれからのようだ。
ついに頭上が開けた。しかし目の前に大きな岩が堆積している。
ペンキで書かれた矢印を追うがきわめて歩きにくい。
岩との格闘にうんざりしながらやっと頂上に着いた。11時37分だった。
周りは雲に覆われて白い世界だが、ときおりそれが切れて権現、ギボシの
姿が現れる。
頂上に1時間ほどいて堆積した岩の下りに手こずりながらもやっと樹林帯に
入ってぐんぐん下る・・・とはいかず、一歩一歩ゆっくりと下って行く。
だいたい日頃運動らしい運動をしていないのに標高差1000mの登山を
いきなりしたのだからしかたがない。
15時半、待ちくたびれたような、あきれたような表情のハスラーに乗り込み
家路についた。