以前にも書いたかもしれないが、私は樹との会話を楽しむことができる。
同じ山の同じルートを登っていて親しくなった樹が何本かあるが、
久しぶりに訪れたときなどはとても喜んでくれる。
実際には声がするわけではない。身体のどこかに樹の発信する何かを
受けるところがあるようだ。
ところが気が付くと最近そんな経験を久しくしていない。ここらへんには
語りかけてくる樹がないのか、あるいは私の受信能力が衰えたのか。
ところがはるかと散歩をしてたまに通るところにある樹がなにか言いた
そうなことに気が付いた。
シラビソの樹である。3本が道沿いに並んで立っている。
樹の下に立つと、何かを語りかけているような気がかすかにしてくる。
まだはっきりとはしていないので何回か心を傾けてみようと思う。