3月29日、晴れ。今朝の気温はー2℃。
一昨日、私は東京に行った。しかし前日の雪で朝の我が家への道の状態は
こんなだった。
奥の白く見えるのは雪を被った我が家の車である。
まず雪の重みでたわんで道をふさいでいる竹の雪を落として跳ね上げる。
そのあと車の雪を落とし車体や窓ガラスに凍り付いた雪を解かすために
エンジンをかけ暖房を入れ、フロントガラスとリアガラスを暖める。
この車アクアで仕事に行く妻に駅まで送ってもらうためである。
ハスラーはこの日一日はお休みしてもらい、乗っている雪はそのままだ。
表の舗装道はこんな状態なので車は走れる。
8時44分の特急あずさは東京行きなので終点まで行き、大手町まで
歩いて地下鉄東西線に乗って竹橋まで行った。国立近代美術館で
開かれている「茶碗の中の宇宙」という、楽家が440年に渡って
作ってきた茶碗の展示を見るためだ。この日の東京は雨だった。
千利休が所持していた、初代長次郎作の大黒という黒楽茶碗から
代を追って田中宗慶、二代常慶、三代道入、そして楽茶碗に多大の
影響を与えた本阿弥光悦、四代一入、五代宋入、六代左入、七代長入、
八代得入、九代了入、十代旦入、十一代慶入、十二代弘入、十三代惺入、
十四代覚入、そして現在の十五代吉左衛門、さらに次期十六代となる
篤人の作品がずらりと展示されている。
その時代の嗜好にあわせて作風はいろいろと変化するが、根底に初代
長次郎のどっしりとした作風がやはり受け継がれているように感じた。
吉左衛門もなんとかそこから逃れようとパリに留学したりして一時は
私が思うに、これが湯飲み茶わんか?というような作品を作っていたが
その道を経てさらにずっしりとした茶碗を作るに至ったのには感心する。
見ごたえのある展示だった。
このあと毎日新聞社のビル内で昼食をとり、大手町で地下鉄千代田線に
乗り換え乃木坂まで行って国立新美術館に行き、草間彌生展を観ようと
したのだが切符を買う長蛇の列を見てその気が失せてしまった。
夜6時半に池袋で建築をはじめとする芸術に携わる仲間たちの集まりが
あるのだがそれまでの時間をつぶすのに苦労をする。
その日の集まりは食事をとりながら、主にル・コルビジュエの設計した
建物を見てきたI君のスライドによる発表会だった。
私がその日のうちに帰宅できる、新宿発22時の特急かいじで甲府まで
来て、あとから来る小淵沢行の各駅停車に乗り換えて小淵沢駅に着いた
のは日付が変わった0時38分、迎えに来た妻の車で我が家に向かうが
驚いたことに、朝のあれだけの雪はすっかり消えていた。
妻の話では、昼間が暖かくて融けてしまったのだそうだ。