福田首相となえる200年住宅が話題になっているが、確かに今の日本の住まいの寿命は30年くらいで短かすぎる。せめて100年くらいは使い続けて欲しい。
ただ木造住宅に関しては今のような造り方を変える必要がある。
まず基礎だが、鉄筋コンクリートの寿命を考えなくてはならない。よほどきちんとした施工をしないと100年はもたない。昔のように御影石で造ればもつだろうが。
構造材も建てる場所の近くに生えていたものを使用したほうがよいといわれている。それには当然国産材となる。東京であったら奥多摩か飯能あたりの木を使おう。
また、山の斜面のどの部分に生えていたかを見きわめ、それを家のどこに使うかを決める能力も必要である。昔の棟梁であったら当然持っていた能力だ。
もちろん充分な乾燥期間が必要である。家を建てる側も工事期間4ヶ月などといわず1年かそれ以上かかると考えよう。葉枯らしなどで自然に乾燥した木が使用された場所での自分の役割を納得する期間が必要なのだ。
補強金物は極力使用しないこと。木と金物はけっして相性がよいとはいえない。日本で培われてきた伝統技術を駆使したほうがよいだろう。建築基準法を変える必要がある。
構造材はいつも新鮮な空気に触れているようにしよう。それには室内に構造材を表しておく工法がよい。とすれば断熱材の設置の仕方にも工夫がいる。そして雨が多い日本では軒の出をできるだけ深くとること。
敷地が狭いのなら家を小さくすること。欧米の生活を真似たら広い家になってしまう。生活のしかたも発想の転換が必要だ。
設備などが簡単に変えられるようにしておく工夫が必要。また、家族構成、生活習慣の変化にも追随できる家でなくてはならない。設計者によって色々な提案がでてきそうだ。
短期間で安く建てられる家が横行する中で、まじめに設計してきた設計者や施工してきた施工業者が生きていきやすくなるのであれば大歓迎である。