気がついたら世田谷美術館で開催されているダニ・カラヴァン展は今日までだ。急いで出かけた。
新玉川線の用賀駅で降りて美術館に向う。久しぶりに来てみると用賀駅も地下になっていて地上は公園のように整備されていた。
美術館までの道は道端に小さな流れがあって相変わらず楽しい。。
流れを覗き込んでみると色づいた木の葉が沈んでいた。
そして水底に敷き詰められた石の模様も楽しい。
交通量の多い環状8号線を渡って砧公園に入る。
久しぶりに訪れた公園は、以前より訪れる人が増えたみたいだ。
世田谷美術館が見えてきた。
故・内井昭蔵氏設計のきれいな建物だ。建ってからもう20年以上の歳月が経った。そして秀作を創り続けた建築家も今はこの世にいないのかと思うと寂しい。
できた当時、入り口へ導くパーゴラがどこかライトのデザインを思わせるなどと言われたものだ。
振り返ってみると、あれ!フィンランドの建築家、アアルトが設計したヘルシンキ工科大学の縮小版?
あら捜しはやめよう。とにかくきれいな建物である。
特注タイルの壁にレリーフが埋め込まれている。
中に入ってチケットを買う。
カラヴァンは、イスラエル人だけに色々と問題点はあろうが(例えばパレスチナについては眼中にないのかなど)、造形ということでは入り口から続く渡り廊下にある天国へ向う梯子と道端の石、吊り下げられた砂袋?や、よく観ると子供の手の跡がある敷きつめられた白い砂やかすかにしたたり落ちる水を使った展示などがおもしろい。いずれも旧約聖書から題材をとっている。おおいに刺激された。
(子供の手の跡はどなただっけ、自分の子供がうっかりとつけてしまったのだが、カラヴァンがおもしろいといってそのままにしたことが新聞かなにかに書いてあったのを読んだことがある。)
ただ、それらが撮影できないのは残念だ。帰りに外から渡り廊下を眺めるとその梯子が見えた。
砂の展示もカーブを描いたガラスがはめ込まれている大きな窓越しに見えるが、湾曲したガラスの反射が強くて撮影はできなかった。
建物のリズミカルな姿を背に大きな欅やヒマラヤ杉が繁った道を帰途についた。